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2020-04-30
スイス、ローザンヌ
新型コロナウィルス感染が拡大する中、私達の働き方がどう変わるのか、そして最優先課題は従業員を守ることであるといった、テトラパックの人事担当上級副社長であるフィル・リード氏のインサイトを共有しましょう。
新型コロナウィルスのパンデミックは私達の日常を劇的に変えました。 ここ数か月の間に、私たちは個人の生活だけでなく、1 日の大半を過ごす職場での日常が大きく様変わりしたのです。 他のグローバルな組織と同様にテトラパックでも、今回の事態はこれまでの働き方を見直し、従業員の健康と安全から就労の継続や労働に対する意欲の低下防止に至るまで、様々な問題に取り組まざるを得ませんでした。
事態の当初から最優先に考えたのは人々を守ること。その手始めは会社の従業員を守ることでした。 テトラパックは爆発的な感染拡大前に対策を講じた企業の 1 つで、協力企業のソデクソ社とCBRE社と協働し、1 月下旬から 2 月上旬にかけてすべての施設の衛生・清掃体制を一新しました。
さらに、ウイルスの感染経路の可能性、自分自身や同僚の安全を守るために守るべき衛生基準、渡航の制限、厳格な検疫、接触の追跡、ソーシャルディスタンス、保護具の使用などを周知させる社員教育キャンペーンを展開し、体制を強化しました。
テトラパックの装置は 160 か国以上に販売され、それに伴い 25,000 人以上の様々な国籍の従業員がいます。国ごとに固有の要件があり、バランスのとれた柔軟なアプローチが必須です。 そのことを念頭に置き、入手した科学的理解と医学的アドバイスに基づき従業員を確実に保護するために、すべての市場にグローバルなガイダンスとフレームワークを提供しました。 たとえば、ソーシャルディスタンスと言われる「物理的な距離」は国によって 1 メートルから 2 メートルの範囲というように異なります。テトラパックのグローバルスタンダードは 2 メートルです。 検疫期間に関する規制も国によって 7 日間から 14 日間と幅があります。テトラパックのグローバルスタンダードは 14 日です。 また、現場の状況に応じた対応や表明は、現地の拠点や市場の自由裁量に任せました。
テトラパックでは、データ (毎日の症例数、感染拡大率、死亡率、回復率など) に基づき、各国のリスクレベル (低・中・高) を常に評価して会社の意思決定に不均衡な部分がないか確認しています。その結果、長期間にわたって持続が可能であると判断しています。 各リスクレベルは、在宅勤務、出張制限、衛生手順、現場訪問の手順などを取り決める際の一連のプロトコルに関連付けられています。
決断するときには、できるだけ平常心でいるように心がけています。 具体的には、証拠、科学、医学と言った確実で論理的な方法で考えるようにしていますが、従業員をサポートする場合は現実的でメンタル的な方法で接するようにしています。 たとえば、移動、育児、重症化のリスクを負った身内からの隔離といった問題に対応するための一連のポリシーの実装です。 テトラパックでは早い時期からコミュニケーションキャンペーンを強化し、会社のすべての対応や従業員への期待についての最新情報を率直に伝えてきました。活動の具体的な内容は、あらゆる事態を想定したQ&A、リーダーシップチームが企画する多数のウェブキャスト、イントラネットサイトの定期的な更新、食品サプライチェーンの運営維持と社会貢献の関係を示し意欲を低下させない方法の伝達などがあります。 さらに、3 月以降にはコロナウィルス感染専門の外部従業員支援プログラムを立ち上げています。このプログラムは、従業員が必要とするときにメンタルなサポートとアドバイスができるように24時間年中無休です。
人々を守るために国やテトラパックが定めた移動制限や在宅勤務などの結果、新しい働き方を模索しなければなりませんでした。 これは紆余曲折した工程でした。要求される以上のプラクティスが開発されましたが、これらのプラクティスはコロナ後の世界でも必要となるプラクティスになるでしょう。
各国の移動制限やロックダウンにより、在宅勤務の従業員がどんどん増えていきました。 通常は約 2,000 人の従業員がリモート接続していますが、今回の事態で従業員の約 70% がリモート接続している地域が数多くありました。 新しい働き方をサポートして生産性の低下を防止するために、グローバル情報管理チームと協力してIT機能の改善を続けています。
世界の各地には、リモート接続で作業をしている管理者や従業員がたくさんいます。 現在、社員は実際に顔を合わせることはありません。マネージャーの多くはこの事態から、連絡を取り合うことや明確な優先事項を示すことの大切さを学び、それを実践しています。 これが良いきっかけとなって工夫を重ね、ゆくゆくはより生産的な働き方を推進することでしょう。
人事面では、採用活動を継続していますが、対面での面接ではなく、ビデオ面接ツールやオンラインアセスメントを活用し、採用担当者と連携して、実際に会っていなくても判断できるようにしたり、バーチャルプロセスを活用してオンボーディングを行ったりしています。
長期的に従業員を育成するために、トレーニングの重要性は変わりません。 最近 LinkedIn Learning を立ち上げましたが、1 月以降急速に普及しています。 また、多くのトレーニングプログラムがデジタルに変換され、従業員は引き続きトレーニングを受講できます。
さらに、お客様へのサポートの提供方法も変更し、 リモートによる保守サポートに切り替えています。カスタマーイノベーションセンターにはバーチャルでほうもんすることができます。また、製品開発センターではウェブを介して新製品のバーチャルトライアルが実施されています。取引にまでバーチャルが持ち込まれ、まったく新規のお客様と取引が成立した例もあります。これらの試みはすべてお客様から好評をいただいています。
テトラパックのサプライチェーンでは、アクセスカメラ、ネットワークハブ、およびスマートグラスを使用してスウェーデンから作業を調整する、機器のバーチャルインストール (北京) にも初めて成功しています。実に洗練されたセットアップでした。
職場がこれまでに経験したことのない速度で進化していることは明らかです。
全体として、この予断を許さない厳しい 3 か月を通して、私たちは自らの力で非常にてきぱきと行動し、毎日多くのことを学びましたが、 中でも私が確信を持ったのは、社会に必要不可欠なサービスを提供している企業への誇り、そしてストレスの多いどのような状況でも価値観を持ち、人を守り、支えるために細心の注意を払ってきた企業への誇りという、テトラパックの仲間たちと共有できる誇りです。 食品を安全にどこでも入手できるようにし、良いものを守るという約束を果たし続けるという新たな目的意識を感じています。
フィル・リード、人事担当上級副社長