この記事に記載されたトレンドは、Mintel により承認、説明されています |
新しい形状のミニアイスクリーム(一口サイズとボールタイプを想像してください)の人気が上昇していますが、消費者を惹きつけるには、形状とそのアイスクリームに込められたメッセージを正しく伝えることが重要です。この新しい世界的な趣向の 3 つの重要な点を見ていきましょう。
消費者は長い間、アイスクリームなどのおやつに安らぎを求め、安価な楽しみに気持ちをそそられてきました。このようなささやかな楽しみとしての間食は、2000 年後半の経済の同時減速の後に本格的なブームとなりました。この消費者行動はその後もずっと続いただけでなく、COVID-19 の後、再び増加傾向にあり、米国のアイスクリームの消費者のほぼ 4 分の 1 を占める 23%がより頻繁にアイスクリームを購入しています。
しかし、消費者の購買意欲は、健康や経済的な理由によって左右されることも多くなっています。家計を重視する人々にとっては手頃な価格が重要で、健康を重視する人々にとってはカロリーをコントロールしやすい小さなサイズが重要です。テトラパックのアイスクリームポートフォリオのマネージャー、Elsebeth Baungaard は次のように述べています。「1 食あたりのカロリーが少ないので、おやつを食べても罪悪感がありません。」
アイスクリームのサイズはどんどん縮小しています。通常 40 ~ 60 ml/g とされるミニから、さらに、通常 25 ml/g の小さな一口サイズやチャンクタイプに移行しています。このような一口サイズのおやつは、数年前、日本の大福型アイスクリームで注目を集めましたが、ここへ来て再びブランドが小さな形状を模索していることは明らかです。スナック菓子市場では良く知られている、いわゆるマイクロバイトと呼ばれる軽食トレンドが、Ben & Jerry や Magnum のような世界的な大手ブランドによって勢いを増しています。
実際、昨今の一口サイズに関するマーケティングは、このトレンドの背後にあるその他の根拠をも完全に包含しています。それらは、「シェアするのに理想的」で「砕けるチョコレートとビロードのようなバニラアイスの絶妙なバランス」などのキャッチコピーで宣伝されています。「サイズが小さい製品は、時として高価なイメージを持ちます。」と Baungaard 氏は述べ、次のように続けています。「小さければ友人と共有することも簡単です。この両方が相まってアイスクリームのサイズを縮小させる要因になっているのです。」
消費者は、よりサイズの小さい形状でカロリーを制限したいと思っていますが、だからといって味や品質を犠牲にする気持ちはありません。実際、「楽しみにふける」ことだと分かることこそがポイントです。そのような製品の 1 つは、「夜の渇望を満足させるのに最適なごちそう」と宣伝されています。
現在、米国の消費者の 5 人のうち 3 人以上(62%)が、低カロリーのアイスクリームより小さいサイズの贅沢なアイスクリームを好む2という統計に、メーカーは注意する必要があると Baungaard は述べ、さらに 「より高級な食材を使用して、楽しむことが「許されている」スナックという宣伝文句で発売してください。」とアドバイスしています。
さらに、ブランドは明示的な健康強調表示を行うことに注意し、パック全体ではなく、1 つ 1 つのポーションあたりのカロリー数を明確にする必要があります。これは、買い物客が購入の選択をするのを助け、アイスクリームは必ずしも不健康で糖分の多い贅沢品と見なされる必要はないという考えを促進するのに役立ちます(カナダのアイスクリーム消費者の半分は、小分けにすることでアイスクリームをより美味しく食べられると述べています 3)。
もっと常識に反するアドバイスは、ブランドの忠誠心に関するものであり、アイスクリームの縮小に関しては、信頼できるマークに固執することが最も賢い方法ではないかもしれません。一部のブランドでは、よく知られた自社製品を単に小さくすることで成功を収めていますが、Baungaard はこのアプローチに反対しています。「特に既存の製品が高級品でない場合、そのサイズを変えたり縮小したりしてはだめです。」と彼女は言います。「メーカーはこの点に注意が必要です。」
また、既存ブランドの傘下では価格上限が設定されている商品展開も多く見られます。よりサイズの小さい製品を新商品として発売した場合に、消費者が同じ製品の通常のサイズとミニサイズの価格を比較できないという利点があります。
通常のアイスクリーム製品と同様に、小さな一口サイズやボールは様々な用途で消費されます。外出先でのおいしいおやつ、コーヒーと一緒に食べたり、ランチの後にデザートとして食べたり、パーティーや特別なイベントで共有したりできます。ブランドは、シナリオごとに異なる製品を作成し、それらの包装も慎重に検討することで、これを利用することができます(スナックを購入する中国の消費者の 73% は、まとめ買いするのではなく、欲しい時に購入することを好みます4)。
たとえば、外出先の消費では、一口サイズまたはボールをより小さくより安価な単一ユニットとして、一口で食べられる個包装の製品が増加傾向にあります。お茶やコーヒーと一緒に、または昼食後に提供される小さなアイスクリームやその他の冷凍食品も同様です。英国では、コーヒーショップによく行く消費者の 31% が、飲み物と一緒にフローズンデザートを購入することに関心を持っています。この傾向は、16 歳から 24 歳の場合、45% に上昇します。この流れを受け、ブランドは紅茶やコーヒー店と直接提携するようになっています。
同様に、Mars の Celebrations や Cadbury の Heroes などのスイーツの詰め合わせ缶の成功に続いて、アイスクリームブランドは、Oppo の Ice Cream Balls などの有名なブランドを利用して冷凍バージョンを開発してきました。しかし、Baungaard によると、新しい消費モデルに製品を適応または開発する際には注意が必要で、フレーバー、食感、コクや脂肪含有量、口どけの速度は、どれも重要な要素です。
「アイスクリームの量が減ると、製品の冷却能力も低下します。そのため、製品を温かいチョコレートに浸したり、コーティングしたりする場合は注意してください。」と彼女は述べています。「同様に、キャラメル、リップル、コンパウンドなどの渦巻きをアイスクリームに加える場合、アイスクリームが溶けないようにすることが不可欠です。」
特に既存の製品を単純に縮小する場合は、他にも実際の製造上の考慮事項があります。「生産量が減少した場合、設備を通常よりもさらに正確に稼働させて、同じように変動を低く抑える必要があることを知っておくことが重要です。」と Baungaard は付け加えて述べています。「わずか 12 ml のミニコーンの充填では、流量にわずかなずれがあっても分かってしまうでしょう。」
フローズンデザートの小型トレンドが当面続くことは疑うべくもありませんが、主導権を握り、確実に成功を収めようとするブランドにとっては、イノベーションが鍵となります。愛されている製品を縮小するだけではもはや十分ではありません。新しい、より小さなフォーマットを作成し、魅力的で説得力のあるメッセージを作成し、消費者がどこでどのように楽しんでいるかに注目することが、市場への参入を検討しているメーカーすべての前提条件になっています。もちろん、消費者はお菓子を買うときに幸せだと感じていますが、ブランドは、アイスクリームが約束する贅沢を提供しながら、経済的および健康上の制約を気にする人々にアプローチできる新しい方法を見つけなければなりません。
出典:
(1)、(2)、(3)、(4)、(5) Mintel:縮小されたアイスクリームが消費者にアピールする