2020 年 4 月 3 日
消費者は、日々摂取する食品が健康的で安全であることを望んでいます。 消費者は、未来志向の製造方法で作られた添加物の少ない食品を優先的に選ぶ傾向をますます強めています。 それでは、「クリーンラベル」に進むにはどうすればよいでしょうか。 ここでは、クリーンラベルのトレンドを取り入れる際に役立つ生産者向けのガイドを紹介します。
健康のために避けたいもの (塩、砂糖、脂肪など) が少なく、身体に良いもの (全天然成分、健康的なタンパク質、植物由来の成分など) を多く含む。 これが、多くの現代の消費者が食品の成分に求めていることです。
しかし、食品の安全性、品質保持期間、製品の味、外観、食感についての懸念から、クリーンラベル製品を作ることは決して簡単ではありません。
そこで、より健康的で自然に近いと感じられるクリーンラベル製品を製造するための 5 つのヒントを紹介します。
目標は、既存のクリーンラベルに適合する製品を新たに製造することですか、それとも現行の製品をより自然に近づけることでしょうか? おそらく、このガイドをお読みの方は新しいクリーンラベル製品と自然派食品セグメントのいずれかの製造を想定していると思います。
いずれの場合も、下調べをして目標を明確に定義することが重要です。 自然な出発点は、マーケットエビデンスを収集し、次の質問に対する答えを見つけることです。
クリーンラベルまたは自然志向のトレンドは貴社の市場に関連していますか?
保存料を使用しない、または pH、塩分、糖分を変更する場合は、製品を安全に長期保存できるように製造および充填工程を変更しなければならないことがあります。 原材料の処理から製品包装までの製造工程全体の徹底的な見直しが必要です。
そのために、新しいクリーンラベルレシピと安定した保存が保証できるストレステストを行うことが重要です。 テストによって、新しいレシピと工程でどの種類の微生物が増殖または生存できるかについて、手掛かりが得られます。
ストレステストの完了後は、原材料の処理から製品包装までの工程を適切に設計することができ、確実に長期保存でき目的の味と外観が確保された製品が出来上がります。
成分と原材料の品質は最も重要です。 食品の安全性と保存安定性の要件に準拠するには、すべての成分が高い微生物基準を満たしている必要があります。
たとえばマヨネーズでは、安全な取り扱いを保証するために、卵を低温殺菌して低温条件で保存する必要があります。 ドレッシングでは、プリミックスの準備段階で、最終製品で増殖する可能性がある病原体や微生物が残らないようにする必要があります。これにより、食品の安全性が保証され、腐敗を最小限に抑えることができ、微生物学的安定性を延長するための保存料を添加する必要がなくなります。
クリーンラベルには、より健康的なオイルを選択することも含まれるでしょう。この場合、オイルが単に健康的であるというだけでなく、製造工程や品質保持期間内に変質しないことも必要条件になります。
ここでは、オイルの保存がきわめて重要です。 オイルを低温(10℃未満が理想)で保存すると、その保存期間が長くなります。 貯蔵タンクに窒素を追加すると、低温保存を促進できます。 実際、窒素処理は、混合から充填まで製造工程全体にわたって追加でき、製品への空気の混入を防ぎます。
保存前にオイルを脱気すると、さらに効果的です。 脱気(空気の除去)は、オイルの酸化を防止します。 オイルの酸化を防止する天然の抗酸化物質をさらに添加すると、よりクリーンなラベルの製品を達成できます。
脂肪と水分含有量は重要なパラメーターです。 製品に含まれる水分が多いほど、微生物による腐敗が発生しやすくなります。 スパイスにも微生物学的リスクがあります。 スパイスや水分含有量の多い製品を保存料なしで製造する場合、工程を調整して良好な衛生状態を確保する必要があります。
低脂肪マヨネーズやドレッシングに使用される温かい膨潤性澱粉の低粘度プリミックスでは、熱に敏感な製品向けに最適化されたプレート式熱交換器を使用すると、コスト効率の高い加熱処理が実現します。 プレート式熱交換器は、大きさが数ミリメートルで粘度が最大 800 cP の繊維または固形物を含む混合物もある程度処理することができます。
プリミックスに大きな固形物が含まれている場合、またはプリミックスの粘度が 800 cP を超える場合は、チューブ式熱交換器または掻き取り式熱交換器をお勧めします。 チューブ式熱交換器と掻き取り式熱交換器はどちらも、せん断を最小限に抑え、壊れやすい澱粉溶液を守ります。 加熱と冷却の連続的な工程により、澱粉を時間と温度の観点から最適に処理できるため、食品の安全性が確保され、エネルギーの使用を最適化できます。
低脂肪ドレッシングでは、水、澱粉、スパイス、酸をプリミックス段階で混合し、低温殺菌して増殖性微生物を不活性化します。 保存料を含まない加熱処理済みプリミックスは、再汚染に敏感です。 加熱処理後に酵母またはカビが製品に混入すると、品質保持期間が短くなってしまいます。
したがって、安定した品質の製品を製造し保存料を使用せずに微生物学的安定性を延長するために、プリミックス低温殺菌から下流のすべての工程で衛生設計を高度に保つことが不可欠です。
たとえばドレッシングを充填する場合、製品の品質を損なうような充填機や包材であつてはなりません。 低温充填とチルド輸送は酸化を遅らせるため、品質保持期間の点でメリットがあります。 ただし、下流機器の工程を適切に設計して制御すれば、ドレッシングやソースを常温でも安全に輸送・保管できます。
これにより、味覚や見栄えを安定させるための保存料や添加物を最小限にしたり、まったく使用しないようにしたりできるようになります。 一般的に、製品加工の正確さと制御性が高いほど、添加物の必要性は少なくなり、製品はより天然に近くなります。
クリーンラベルとは、食品の成分と加工方法の情報をそのラベルに表示することを指します。 消費者は、含有物の少ない製品の方が多い製品よりも健康的であると考えています。
添加物(E 番号など)や保存料を含まず、有機や非遺伝子組み換えなどの自然志向をアピールするラベルは、クリーンであるとみなされます。
先進国市場では、倫理的、環境にやさしいといった追加情報を含めることがますます重要になっています。 したがって、次世代のクリーンラベル製品には、単に成分を表示するだけでなく、加工方法、包装、原材料の調達先もクリーンラベルの水準に合わせることが求められるでしょう。