熱交換器用の新しい溶接技術で 3-A 基準に準拠

それは無理だと多くの溶接の専門家が言いました。しかし何年にもおよぶ試行を経て、テトラパックは、最も厳しい衛生基準を満たすチューブ式熱交換器のチューブから滑らかに溶接することに成功しました。
不鮮明な人物を背景にした熱交換器のクローズアップ画像

テトラパックは 1996 年に最初の P2P チューブ式状熱交換器を発売しましたが、世界的な認証であるアメリカの衛生基準の 3-A 規格の要件を満たすには、2016 年まで待たなければなりませんでした。チューブとチューブケース間に新しい溶接を導入して、承認が得られました。

この特殊な溶接は非常に滑らかで、バクテリアが付着して繁殖しやすい隙間などの表面の凸凹がなくなります。食品加工処理では、衛生性が非常に重要です。テトラパックの設計者は、新しい溶接により、熱交換器で処理されるあらゆる製品の食品の安全を脅かす可能性を根絶することを目指しています。

徹底したアプローチ

設計者たちには、チューブの内側から溶接するという画期的なアイデアがありました。「私たちはできる限り多くの溶接の専門家と連絡を取り、2009 年にゼロからスタートしましたが、私たちのアイデアを信じてくれる人はほとんどいませんでした。ほとんどの専門家が「それはうまく行かない」と言いました。」と、スウェーデン本社の製造部門でマネージャーを務める Niklas Wisén は当時を振り返って述べています。

何度も失敗を繰り返し、長い年月の研究の結果、テトラパックはついに機能する溶接プロセスを開発しました。チューブの内側からの溶接という画期的な技術の習得には、さらに2年間のワークショップでの開発作業が必要でした。酸素を含まない不活性雰囲気で溶接する新しい溶接方法は特許出願中です。このプロセスの重要な部分は、新しい特殊な等級のステンレススチールの採用でした。詳しくは、極秘情報のためお伝えできません。

2018 年の 5 月には、新しい溶接方法を採用したあらゆる製品を処理するチューブ式熱交換器が発売されました。この溶接は、あらゆる製品の熱伝導処理するあらゆる種類のチューブで採用されています。

3-A 認証済み

3-A 衛生基準の目的は、サニタリー仕様の装置を使用する際の人々の健康を保護することです。この特定の目標の 1 つは、すべての製品接触面を機械的に洗浄し、簡単に分解して手作業による洗浄または検査の実施を保証することです。

「テトラパックの設計が 3-A 基準から認証されたことで、実際に衛生性を厳しく求める世界中の多くのお客様向けの P2P 市場が大きく展開することになります。」と述べるのは、新しい溶接技術の開発に密接にかかわる、テトラパックのプロジェクトリーダー、Jenny Navred です。

米国では、食品の製造に対する USDA や FDA の規制基準として、3-A 衛生基準が使用されています。他の地域のお客様は 3-A 基準を満たす必要はありませんが、3-A は健全な衛生設計の強力な指標と見なされています。

お客様にとって最適なチューブ式熱交換器はどれでしょうか?

粘性製品のポンプ処理と熱処理は、チューブ式熱交換器の主要な課題です。チューブ式熱交換器(THE)は、固形物を含む製品で特に人気があります。チューブ内部は、固形物の流れを妨げる障害物がほとんどないため簡単に洗浄できます。基本的なチューブ式熱交換器の 4 つのデザインから選ぶとすれば、お客様の製品に適した装置はどれでしょうか? 

チューブ式熱交換器のソリューションについて話し合う人々

安定した高い品質を実現する熱交換器

ソースに入ったミートボール、ストロベリーのジャム、チョコレートプリンやプレーンミルクなどを製造する場合、いずれも加熱処理が必要で、そのために熱交換器を使用します。どのような熱交換器を選択するかは、粘度や固形物のサイズなど対象の製品の特徴により異なります。固形物が入っている製品や高粘度や異なる粘着性を持ったより複雑で要求の高い製品には、正確な製品の流れを促進するために、より複雑な管を配置した熱交換器が必要になります。

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