ガイアナの学校給食プログラムにおける地産のジュース飲料によるイノベーション

課題

2012 年のガイアナの人口は、約 74 万 6,955 人[1]で、そのうち小学生年齢(6 ~ 12 歳の 1 ~ 6 年生)と推定される子供が 11 万 3,712 人、未就学年齢(4 ~ 6 歳)と推定される子供が 3 万 1,673 人でした。[2]

学校給食プログラム導入前のガイアナ国内の健康と教育の状況に関する具体的なデータは次の通りでした。

  • 2006 年に収集された情報によれば、ガイアナの 5 歳未満の子供の 11% が低体重で、18% が発育不全(都市部の子供の 11% に対し、農村部の子供の 20% は発育不全)です。同じ調査によると、発育阻害のレベルが最も高いのは内陸部の 35% です。[3]    
  • カナダの医療チームが農村地域と周辺エリアを対象に行った 2004 年の調査では、18 歳未満の子供の 30% が標準体重に満たず、41% が成長不全で、21% が衰弱状態でした[4]
  • 沿岸部の農村地域では 5 歳未満の幼児の 38% が貧血状態で、ガイアナの内陸部では 42% が貧血状態でした[5]。 
  • 未就学児童の 47.9% は重度の鉄欠乏症です[6]
  • 中学高校年齢の子供のうち就学児童はわずか 69% です[7]
  • 農村地域では、中学教育を修了している世帯主の割合は 14% 未満です(首都ジョージタウンでは 23%)[8]

地元のバリューチェーンへの支援

ガイアナの教育省は、世界銀行の「万人のための教育-ファストトラックイニシアチブ(Education for All – Fast Track Initiative)」の支援を受けて、独自の学校給食プログラム(SFP)を運用しています。 学校給食プログラムでは地元で製造したジュースも用意され、53,340人の子供に配給されました。テトララバル・グループのFood for Development (FfD)は、世界銀行の万人のための教育 - ファストトラック・イニシアチブに結び付け、テトラパックのお客様であるDemerara Distillers社と協力して、テトラ・ウェッジ®アセプティック容器 200ml で長期保存可能な加工ジュース飲料を提供しました。 地元で生産されたアセロラチェリーとパッションフルーツがスリムな紙容器で提供されました。 この学校給食プログラムでは、果実に含まれるアスコルビン酸(ビタミンC)が豊富なアセロラチェリーを使用しました。 パッションフルーツは、特に繊維、ビタミンC、プロビタミンA を十分に摂取できる栄養源です。

SFP により、主要な目的の達成に着手すると同時に、バリューチェーン全体で新しい雇用が創出されました。 主要な目的とは、子供たちへの食事の供給、就学率の向上、授業への参加の改善、貧困の緩和です。 例を挙げると、テトラパックのお客様である Demerara Distillers 社は、学校給食プログラムを通して既存の生産能力で製造を 2 倍に増やし、流通網で新しい雇用も創出することができました。

プログラムの実施

2010 年 1 月、ガイアナ政府は、国内の 7 つの地域(1、2、3、4、5、6、および 10)の沿岸地域と河岸地域のコミュニティーに暮らす未就学児と小学生を対象とする新たな学校給食プログラムを始めました。 学期中の登校日には毎日、子供ひとりひとりに配給量の果汁飲料が配られました。  

午前の授業中に軽食として果汁飲料を無料で配布することを公の場で教育省が発表した結果、学校給食プログラム導入以降の授業参加率が上昇しました。

School girl rinsing Acerola cherries

アセロラチェリーを水洗いする女児

School children with cherry juice in Tetra Wedge Aseptic cartons

テトラ・ウェッジ アセプティック紙容器のアセロラチェリー飲料を持つ児童

技術支援提供のためのコラボレーション

SFP の立ち上げの一環として、テトラパック、テトララバル・グループの Food for Development は、お客様である Demerara Distillers 社と協力して教育省に技術サポートを提供し、世界中の 50 国以上の SFP からベスト プラクティスが共有されました。さらに、教育省によって製品および紙容器の受け入れ状況が様々な学校でテストされ、全体の受け入れ率が 97.2% という優れた結果を得ることができました。

テトラパックとテトララバル・グループの Food for Development は、学校での品質管理と食品の安全性、物流と流通の方法、飲料の在庫移動と個人消費の登録、ベースラインデータの収集、プログラム実施におけるコミュニティの関与などのベストプラクティスも共有しました。プログラムの実施を監視するためにフォローアップミッションが実施され、非常に肯定的な結果とコミュニティからのフィードバックを得ることができました。このプログラムは、地域のバリューチェーンを支えながら、子供たちに必須のビタミンや栄養素を提供する上で不可欠な役割を果たし続けています。

[1] 国税調査 - 統計局(statisticsguyana.gov.gy)
[2] UNESCO の 2011 年統計
[3] ガイアナの人口動向および健康に関する調査 - 一次結果。 2009.
[4] カナダ医療チームの報告書。 2004.
[5] 2009 年度ガイアナの人口動向および健康に関する調査 - 一次結果。
[6] FAO栄養に関する国別概要 - ガイアナ。 2003.
[7] UNICEF ガイアナの複数の集落に関する調査。 2006.
[8] ガイアナの貧困削減戦略文書。 2002.