自然食品製造の透明性に対する消費者の要望の高まりを受けて、添加物の使用を最小限に抑える傾向が見られます。 ヨーグルトミルクの製造でメーカーはメンブレンフィルトレーションを使用すると、粉乳を加えずに済むため、より健全なプロフィールの製品を提供することができます。
ギリシャヨーグルトやクワルク、レブネ、アイスランドのスキルなどの濃縮ヨーグルト製品は、何世紀にもわたって天然の栄養源として役立ってきました。 最近では、高タンパク質、健康的なイメージ、発酵食品特有の美味しさにより、健康志向の消費者の間でスーパーフードに近い存在になっています。
濃縮ヨーグルト製品は、料理の調味料として使用できるほか、甘くて風味豊かな料理にもよく合います。 たとえば、クワルクとギリシャヨーグルトは、デザートやペストリーだけでなく、ソースやディップの材料として広く使用されています。
乳製品企業にとって、この人気は、成長分野をさらに広く深く探求する余地を生み出しています。 メーカーは幅広い製品と生産能力を生み出す柔軟性を以前にも増して必要としています。 低脂肪、高タンパク質から高脂肪、中タンパク質まで、また、これらすべての組み合わせなど、豊富な種類が求められています。
これらの目標を達成するうえで、濃縮が、重要な製造ステップとなります。 濃縮技術は多様です。 その 1 つに、ウルトラフィルトレーションがあります。これは、メンブレンフィルトレーションの一種で、様々な利点があります。
テトラパックのセールスマネージャー、Claus Birkemose は、メンブレンフィルトレーションの顕著な利点の 1 つは、実質的に完全なタンパク質を保持できることだと言います。
「メンブレンフィルトレーション、もっと具体的に言えばウルトラフィルトレーションでは、タンパク質が製品内に保持されます。 乳糖とミネラル塩のみがメンブレンを通過し、タンパク質と脂肪は濃縮された製品に残ります」と Birkemose は述べています。
ウルトラフィルトレーションの高い生産性により、最終製品を製造する際の牛乳の使用を最小限に抑えることができます。
メンブレンフィルトレーションの素晴らしさは、タンパク質と脂肪含有量の異なる様々なヨーグルトを製造できることです。 これは、フィルターユニットへの入出力を制御することで実現でき、これにより排出される製品の成分を決定できます。
たとえば、1.5% の脂肪と 3% のタンパク質を含む 1,000 リットルのセミスキムミルクをメンブレンフィルトレーションのユニットに供給すると、10% のタンパク質と 5% の脂肪を含む 300 リットルの濃縮ヨーグルトを生産できます。 また、フィルターユニットからの出力を調整することにより、6% のタンパク質と 3% の脂肪を含む 500 リットルの濃縮ヨーグルトを製造することもできます。
「メンブレンフィルトレーションにより、単一のろ過ユニットを使用して、無脂肪高タンパク質ヨーグルトから高脂肪クリームチーズまで、あらゆる種類の製品を製造できるのです」と Birkemose は続けます。 「お客様の多くは、脂肪含有量の異なる様々な製品を作りたいと考えています。それが市場のトレンドです。 メンブレンフィルトレーションなら、これを簡単に実現できます。」
メンブレンフィルトレーションを使用してヨーグルトを濃縮すると、製品を優しく処理するプロセスにより優れた製品品質を実現できます。ヨーグルトの質感と安定性が向上し、非常に滑らかな口当たりと光沢のある外観が得られます。
固形ヨーグルトやソフトヨーグルトを製造する際、ヨーグルトミルクのタンパク質レベル(「ドライマター」とも呼ばれる)を上げるため、しばしば粉乳が追加されます。 その理由は、タンパク質含有量が多いとヨーグルトの質感や粘度、安定性が向上するためです。 固形ヨーグルトやソフトヨーグルト用のヨーグルトミルクにメンブレンフィルトレーションを使用すると、添加物としての粉乳の使用を削減または回避できます。
ウルトラフィルトレーションや逆浸透により、加工処理装置で水分を除去できるだけでなく、濃縮によりタンパク質レベルとドライマターを増加させることができます。 ヨーグルトミルクのウルトラフィルトレーションは、水分、塩分、乳糖を除去します。 逆浸透は水分を除去します。
両方の技術により、メーカーは粉乳を使用せずに希望のタンパク質レベルを達成できるため、より少ない添加物で「クリーンラベル」をアピールすることができます。
また、このような設定により、メーカーは、粉末混合ステーションや保管室、混合タンクをラインから取り除くことができ、設置面積の削減という効果も得られます。
Birkemose は、同じラインで複数の製品を生産する場合、知識のあるパートナーと協働することの重要性を強調しています。
「テトラパックでは、発酵乳の濃縮のみを目的としたメンブレンフィルトレーションのシステムを世界約 75 か所で展開しています。製品の質感、食感、外観、安定性、味覚に及ぼすライン設計の影響を調査するために、数々の社内テストを行ってきました。そのため、それぞれの製品で最適な味と質感の組み合わせを実現する場合に何が重要かについて多くの知識を持っています。 私たちは、最適なライン設計とレシピを特定しパーフェクトな結果を得るためにお客様と緊密に連携しています。」
テトラパックは、セラミック、スパイラル型、プレートアンドフレーム型からなる 3 種類のメンブレンを提供しています。 どれを選択しても素晴らしいヨーグルトができますが、強度が異なります。 どれを選択するかは、強度や最終製品の粘度、総所有コストに対する投資コストの重視など、いくつかの要因に依存します。
テストの結果、セラミックメンブレンには通常 8 年以上の使用に耐える最高の強度と耐久性があることがわかっています。 一方、らせん状に巻かれているためその名が付いたスパイラル型メンブレンは、ポリプロピレンの補助材で成型され製品寿命は約 1 年です。 同じくポリプロピレン製のプレートアンドフレームメンブレンは、ユニットのプレートサイズに合うように裁断されています。 製品寿命は約 12 か月です。
セラミックおよびプレートアンドフレームのメンブレンは、最大レベルの粘度に対応できます。 前者はクワルクまでの粘度すべてを処理できますが、後者はそれを超えて高脂肪製品の製造にも使用できます。
プレートアンドフレームメンブレンは、寿命に対して総所有コストが最も低く、操作もスパイラルとプレートアンドフレームを組み合わせた代替策より簡単なため、通常、クワルクなどの高粘度製品に使用されます。
投資コストの面では、セラミックメンブレンが最も高額で、スパイラル型メンブレンが最も低額です。
メンブレンの種類を含め、ライン設計に対して推奨事項を提案する場合、まず、それぞれのお客様の事案を丁寧に評価します。
ヨーグルトラインの設置で注目すべき点は、メンブレンフィルトレーションの長所の 1 つとして、後日容量を増やしたい場合に、新しいフィルトレーションループまたはセクションを追加するだけで良いところです。