責任ある調達は、バリューチェーンが自然に及ぼす影響に対処するためにテトラパックが取り組んでいる重要な分野の 1 つです。テトラパックはサプライチェーンと協働して、認定された CoC(Chain of Custody:生産・加工・流通過程のトレーサビリティ)と自主的な持続可能性基準のメンバーシップを構築することで、調達のトレーサビリティと透明性を向上させています。
社会は、限りある資源を元にした材料、または温室効果ガスの原因で自然を破壊する化石燃料から製造された材料に依存しています。材料が責任を持って調達されていない場合、森林破壊、汚染、土壌侵食やその他の気候問題の一因となり、環境危機を引き起こす可能性があります。そのため、世界中で原材料やサービスを調達する際には、責任を持って使用する資源を管理し、倫理、労働の権利、社会問題や環境問題を考慮することが重要なのです。
テトラパックの製品も、森林、農地、鉱山などに原材料を依存しています。そして、それらの資源を消費することは責任が伴います。持続可能な方法で管理された森林1やリサイクル材のサプライヤーから材料を調達するなど、テトラパックの責任ある調達の実践は、テトラパックの企業戦略に組み込まれ、サプライチェーン全体で実行されています。
テトラパックは責任ある調達の第一人者として、食品業界で初となる植物由来の再生可能な原材料2から作った、紙素材のみの紙容器を製造し、FSC™(Forestry Stewardship Council™/森林管理協議会)と Bonsucro の認証基準を達成しました。
その他にも、森林に関する企業の透明性とパフォーマンスにおいてリーダーシップを発揮していることが評価され、世界的な非営利の環境団体である CDP から「A リスト」に毎年選定されています。CDP の 2023 年フォレスト質問書のデータによると、テトラパックは 21,000 社を超える評価対象企業のうち、「A」スコアを獲得した 2% の企業に入りました。また、気候変動と水の安全保障についても初めて報告し、両方で「A-」スコアを達成しました。これにより、テトラパックは紙容器部門で CDP のリーダーシップバンドを再び達成した唯一の企業となりました。
2030 年を見据え、テトラパックは生物多様性、自然、社会の持続可能性への取り組みの一環として、責任ある調達に関する大きな目標を実行に移しています。
原材料の責任ある調達を保証するには、サプライチェーンとの密接な連携が不可欠です。テトラパックの世界中のサプライヤーは、テトラパックのサプライヤー規範を遵守する必要があり、それをテトラパックは、責任ある調達保証システムおよびサプライヤーエンゲージメントの手順を通して監視しています。
テトラパックは、EU のホライズン 2020 が資金提供するプロジェクト「Landgriffon」に参加しています。このプロジェクトは、衛星データと画像処理アルゴリズムを使用して持続可能な調達の意思決定を支援しています。
再生可能な素材を調達する際に、テトラパックでは、生物多様性と自然環境を保護するためのすべての基準を確実に満たすために、FSC™(Forest Stewardship Council™/森林管理協議会)3および Bonsucro などの自主的な認証基準を使用しています。テトラパックのすべてのサプライヤーとテトラパックの施設は、FSC™(森林管理協議会)の CoC(Chain of Custody/seisann /生産・加工・流通過程のトレーサビリティ)認証で認証されており、テトラパックの紙容器に使用される板紙が、FSC™ 認定林やその他の管理された資源から供給されていることを保証しています。4
サトウキビから作ったテトラパックの植物由来のポリマーは、紙容器のプラスチック層とキャップに使用されていますが、現在それらのすべてが Bonsucro による 100% の認証を得ています。
1持続可能な森林管理でテトラパックが注目する重要な分野は次のとおりです。a)木材および木材以外の製品やサービスの持続可能な歩留まりの維持を含む経済的実行可能性、b)作業者、先住民、地域社会の権利を含む人権の尊重に対する社会的な責任。活動が先住民族および地域社会に影響を与える場合、これには、自由、事前、およびインフォームドコンセントの原則を遵守することが含まれます。c)環境の持続可能性(森林破壊のないこと、森林の生態学的機能の維持、高い保全価値(HCV)の維持、生物多様性の保全など)。
2これは、責任を持って調達された、完全に再生可能またはリサイクル材で作られた紙容器の作成を指し、それによって、地球の気候、資源、生物多様性の保護と回復に役立ち、カーボンニュートラルな製造と流通に貢献します。便利で安全であるため、回復力のある食品システムの実現に役立ちます。そして、紙容器は完全にリサイクル可能です。
3テトラパックの FSC ライセンス・コードは FSC™-C014047 です。
4管理された資源とは、FSC が管理する木材です。これらの木材は、違法伐採された木材、地元の伝統や人権を無視して伐採された木材、管理によって高い保全価値が脅かされている森林から伐採された木材、プランテーションや森林としての利用以外の用途のために伐採された木材、および遺伝子組み換えの木が植樹されている森林の木材を除外した、リスクの低い資源から採取されています。管理された木材は、FSC ミックス認証の木質繊維を全体の 30% まで使用することができます。その他の情報:https://fsc.org/en/fsc-mix-label-and-controlled-wood。
5トレーサビリティのコンセプトとは、製造のための原材料の調達から最終のお客様に至るまで、製造、加工、流通の各段階を通して製品を追跡することを指します。
6テトラパックは、板紙の木質繊維が 2020 年 12 月 31 日以降に森林破壊が行われた地域に由来しないことを保証します。森林破壊がされていない地域とは、次に示す対応の結果、自然林が喪失していない地域を指します。i)農業またはその他の森林としての利用以外の用途への転換。ii)植林地への転換。または iii)重度かつ持続的な劣化。出典:https://www.tetrapak.com/content/dam/tetrapak/publicweb/gb/en/sustainability/Tetra-Pak-Procedure-Responsible-Sourcing-Liquid-Packaging-Board-2023.pdf
7HVC(高保全価値)地域とは、国、地域、世界レベル、または地方レベルで際立って重要な生物学的、生態学的、社会的、または文化的価値を持つ地域を指します。
82019 年のベースラインと比較して 1.5°C SBTi の取り組みに従って、テトラパックの操業における温室効果ガス排出量のネットゼロ(スコープ 1 および 2、および出張)、およびバリューチェーン全体で温室効果ガスの 46% 削減を達成すると定義しています。